今回は、膵臓からのインスリン分泌が保たれている2型糖尿病患者様のインスリン治療を触れます。
以前の2型糖尿病治療は、インスリン注射を内服薬でコントロールがつかない場合の最終兵器として使用していました。
ところが、長期で見たとき、結局よくなっていなかったことも多く、最近では、糖尿病と診断された初期の段階でインスリンを積極的に用いてコントロールを良くすることで、その後の合併症がより起こりにくくなるという報告がなされています。
ただし、低血糖の方がかえって心血管イベント(心筋梗塞その他・心血管系の病気)の原因になりうるとのことで、厳格すぎるコントロールはよくないとされています。
糖尿病と診断されて、インスリンを使いましょうと言われた場合、「このまま一生インスリンになるのでは」という気持ちになる方もいらっしゃると思います。
しかし、2型糖尿病の場合は、早期にインスリンを使用してコントロールを良くすることで、内服のみへ変更することも十分可能です。
すべての患者様にインスリンを導入するわけではありませんが、インスリンに対して正しい理解をしていただきたいと思い、前回、そして今回にわたってインスリンの話をいたしました。